三菱電機株式会社

リアルとバーチャルを連携させた
デジタルマニュファクチャリングを実演

事業を取り巻く不確実性の高まりや深刻な人手不足、グリーン対応など、新しいものづくり時代を勝ち抜くため、製造業では企業変革力(ダイナミック・ケイパビリティ)の強化が急務だ。この取り組みを支えていくため三菱電機はデジタル技術を活用し、リアル生産財(機器、装置、生産ライン、工場)とものづくりデータ(装置・ヒト作業データ、加工データ、設備稼働情報など)をバーチャル空間で相互に連携させるデジタルマニュファクチャリングを提唱している。IIFES 2024ではこの一連のソリューションの全貌を目で見て、体感できる、絶好の機会となる。

写真:水嶋 一哉氏
三菱電機株式会社
FAシステム事業本部
FAデジタルエンジニアリング推進部
部長
水嶋 一哉氏

製造業を取り巻く環境は大きく変化しているが、なかでも深刻化しているのが人手不足や技術継承に関する問題で、いまや「高齢者の急増」から「現役世代の急減」へと局面は変化している。

さらにサステナビリティへの対応が世界的に高まるなかで、カーボンニュートラルの実現は企業の社会的責任として課せられており、グリーン対応できない製造業は生き残れない状況となっている。こうした変化に対応した柔軟かつ持続可能なものづくりを行っていくには、ダイナミック・ケイパビリティの強化が急務だ。

三菱電機 FAシステム事業本部 FAデジタルエンジニアリング推進部 部長の水嶋一哉氏は、「ダイナミック・ケイパビリティを高めるためには、データの収集・連携やAIによる予測・予知、3D設計やシミュレーションによる製品・設備開発の高速化など、デジタルによる強化が不可欠です」と説く。

この課題に向けて三菱電機が提供しているのが、デジタルマニュファクチャリングのソリューション群だ。OT領域のFA機器をベースとし、ものづくりデータを活用することで生産性改善効果を最大化するという。

三菱電機のデジタルマニュファクチャリング
三菱電機のデジタルマニュファクチャリング。
ものづくり現場でのデータを活用した生産性改善のサービタイゼーション

リチウムイオン電池の製造工程をメインデモ機で実演

三菱電機はデジタルマニュファクチャリングをどのように具現化していくのか。

「IIFES 2024では『フレキシブル&サステナブル』をテーマに掲げ、展示会場に設置されたメインデモ機を通じて、ものづくりライフサイクル全体を包括した当社のソリューションをご覧いただけます」と水嶋氏は訴求する。

メインデモ機とは、EV化の波が押し寄せている自動車業界を1つのユースケースとして想定し、車載用リチウムイオン電池の製造工程を模したものである。「セル搬送からモジュール組み立て、電極溶接、積載・回収、さらには市場から回収したリチウムイオン電池の分解・リサイクルにいたるリアルな生産工程を、各種ロボットや新開発のリニアトラック(搬送)システム、シーケンサ、サーボモータなどのコンポーネントで構成します。また、それらの装置・機器から収集したデータをベースにバーチャル空間で稼働監視や最適制御、検査などを行うデジタルツインを実現。設備設計の効率化や生産ラインの早期立ち上げ、製造サイクルタイムの短縮、リモート監視による保守の合理化などの課題解決をスマートに進めることで、現場の自動化のみならず技術者や経営者の経営判断を自動化によりアシストする姿を示します」と水嶋氏は説明する。

IIFES 2024の展示の全体像(システム構成)
IIFES 2024の展示の全体像(システム構成)。
デジタルマニュファクチャリングを具現化し、ものづくりライフサイクル全体を課題解決

具体的にデジタルツイン上でどんなことを行えるのか、さらに詳しく見てみよう。核となるのは3Dシミュレーションソフトウェアの「MELSOFT Gemini」で、デジタルツイン上で生産ラインや設備のレイアウト検証や制御動作の事前検証をサポートする。これを新製品のロジックシミュレータ「MELSOFT Mirror」など各種機器シミュレータと連動させることで、デジタルツイン上でより高精度のシミュレーションを実行することが可能となる。IIFES2024では生産ラインの稼働開始前にデモ機全体の挙動やサイクルタイムをシミュレーションし、制御プログラムのデバッグやチューニングが可能となるメリットを示す。

またSCADAソフトウェア「GENESIS64」により、IT領域の計画情報からOT領域の生産実績やトラブル情報まで一連のデータをつなぎ、ものづくりの状態を把握・分析・改善することが可能となる。IIFES 2024のデモ機では、電極溶接時の電流値(ダミー)をベースに、不良の可能性があるワークを特定して抜き取り検査を効率化することで、無作為な抜き取りに伴う良品の破壊や不良品の見逃しを防止する様子をデータサイエンスツール「MELSOFT MaiLab」を用いて示す。

さらにAI技術を活用した外観検査ソフトウェア「MELSOFT VIXIO」と産業用カメラを組み合わせた、製品の外観検査のデモも行われる予定だ。

フレキシブル&サステナブルの効果を体感できる

写真:枡田 圭祐氏
三菱電機株式会社
FAシステム事業本部
FAデジタルエンジニアリング推進部
デジタルマニュファクチャリングソリューションセンター
事業企画グループ 専任
枡田 圭祐氏

メインデモ機を通じて三菱電機が紹介するデジタルマニュファクチャリングの一連のソリューションは、ものづくり変革に向けた広範な可能性を持っている。ユースケースとして設定したリチウムイオン電池の生産やリサイクル工程だけでなく、あらゆる業態の製造業のエンジニアリングチェーンに応用することが可能なのだ。

これが今回の展示テーマの1つである「フレキシブル」に込めた思いだ。「他社製品を含めた多様な機器やシステムとデータを共有し、生産ラインを素早く立ち上げ、柔軟にモデルチェンジも行えるメリットを体感していただければと思います」と語るのは、三菱電機 FAシステム事業本部 FAデジタルエンジニアリング推進部 デジタルマニュファクチャリングソリューションセンター 事業企画グループ 専任の枡田圭祐氏である。

もう1つの展示テーマ「サステナブル」についても同様だ。前述したデジタルツインを構成するさまざまなソフトウェアツールを活用することで、「生産工程の省力化・自動化を推進して労働力不足に対応することができます。また、省エネルギーの観点からAI活用やシミュレーションで生産工程を最適化することで、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みにも貢献します」と枡田氏は強調する。

展示会場と連動した講演内容で課題解決策をさらに深掘り

なお、IIFES 2024では三菱電機の3つの講演が予定されている。1つ目は「三菱電機が支援するデジタルマニュファクチャリング」。製造業のトレンドがモノからコト、サービタイズしていく中で、三菱電機がもともと強みとするFA機器に加え、デジタルを強化することで、どんなものづくりの可能性を広げているのか。事例をもとに現場課題の最適解を紹介する。

2つ目は「カーボンニュートラルを目指している福山製作所の取組み」。三菱電機自身もカーボンニュートラルを見据え、2050年までに温室効果ガス排出量ゼロを達成すべく活動している。その最前線に立つ福山製作所におけるCO2排出量の見える化・分析、エネルギーロス把握など一連の取り組みを紹介する。

3つ目は「三菱電機による外観検査革新への挑戦」。製造業の現場では目視に依存した多くの外観検査が行われているが、昨今の人手不足によりその作業の継続が困難になりつつある。三菱電機はAI活用によるこの課題の解決策を提案する。

「いずれの講演も展示内容と連動した企画となっているため、デモやプレゼンテーションをご覧になって興味を持たれたソリューションについて、より詳しい話や事例を聞いてみたいと思われましたら、ぜひセミナー会場にもお越しください」と水嶋氏。

あるべきデジタルマニュファクチャリングをいかにして具現化し、ものづくりライフサイクルを一貫した課題解決を実現していくのか――。その全体像をつかむことができる今回のチャンスを最大限に活かしていただきたい。

リアル展セミナー
  • 三菱電機:三菱電機が支援するデジタルマニュファクチャリング
    1月31日(水)13:00~14:30 西ホール4階・特設セミナー会場 A
    スポンサードセッション S-13A
  • 三菱電機:学生応援企画
    1月31日(水)15:15~16:00 西ホール セミナー会場 G
    若手社員によるトークセッション
  • 三菱電機:カーボンニュートラルを目指している福山製作所の取組み
    2月1日(木)14:00~14:40 西ホール4階・特設セミナー会場 E
    出展者セミナー X-24E
  • 三菱電機:学生応援企画
    2月1日(木)14:10~14:30 西ホール アトリウム特設ステージ
    学生応援企業セッション
  • 三菱電機:三菱電機による外観検査革新への挑戦
    2月2日(金)14:00~14:40 西ホール4階・特設セミナー会場 E
    出展者セミナーX-34E
オンライン展
セミナー
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オンライン展は2/16(金)で閉幕しました